未成年のこどもが「親名義のクレジットカードを使って」あるいは「親の承諾を得たことにして」高額な課金や契約をしてしまったという相談が寄せられています。そこで、あらかじめどういった対応をしておけばよいか、またそうなってしまった場合にどうしたらよいかをまとめました。
こんな相談が寄せられています
①【投げ銭で課金】
中学生の娘が、母親名義のスマートフォンとクレジットカードを使い、年齢を成人と偽って配信サービスの「投げ銭」で18万円も課金してしまった。
②【ゲーム課金】
カード会社からオンラインゲームの利用料金約50万円の請求があった。驚いて息子に聞くと、夫のクレジットカードを抜き取り、カード番号を入力して利用していたこと、年齢確認画面で11歳と入力したらゲームができないので、18歳以上と入力していたとのことを認めた。
③【脱毛の高額契約】
未成年の娘が、知らない間に全身脱毛の契約をしていた。娘に聞くと、友人と話を合わせて、親の承諾を取ったことにして契約したようだ。
未成年者の契約だからといって全てが取り消せるわけではありません
未成年者(18歳未満)が法定代理人(親権者又は後見人)の同意を得ずに契約をした場合、民法で定められた「未成年者取消権」によって、未成年者本人または法定代理人がその契約を取消すことができます。
ただし、以下のような場合には、契約の取消しが認められないことがあります。取消しが認められない場合は契約が有効となり、原則として契約時の規約に従うことになります。なお、通信販売やオンラインゲームなどの取引には、クーリング・オフ制度は適用されません。
未成年者契約の取消しができない主なケース
・「成人である」「親の同意を得ている」などと相手を誤信させて契約した場合(=詐術※)
・お小遣いの範囲内の契約
・法定代理人が目的を定めて許した場合(例:「学校で使う文房具を買いなさい」と渡した金銭等)
・成年に達してから商品やサービスを受けたり、代金を支払ったりした場合
・成年に達してから5年を経過した場合(=時効)
※「詐術」とは、未成年者が相手を誤信させる目的で、成年者であると伝えることにより相手を信用させて契約した場合や、法定代理人の同意を得ていないにもかかわらず同意を得ているなどとうそをつくことにより相手を信用させて契約した場合を意味します。
ケース別の事前の事前の対応策
こういったトラブルにならないためには日頃からの対策が大切です。様々なケースがありますが、事例のケースをモデルに事前の対応策をご紹介します。
①「投げ銭」課金のケース
使用したスマートフォンやクレジットカードが法定代理人の名義である場合、事業者側からは法定代理人が利用したと判断する可能性があります。また、未成年者が年齢を偽ってサービスを利用していた場合、「詐術」とみなされ、契約の取消しが認められないこともあります。
日頃からスマートフォンやクレジットカードの管理に注意を払うとともに、様々なサイトやアプリで既定の支払方法としてクレジットカード情報を登録しないようにするなどの工夫が必要です。
実際に「投げ銭」のトラブルにあった際の対処法はこちら
②ゲーム課金
上記の「投げ銭」課金のケースと同様に、日頃からスマートフォンやクレジットカードの管理に注意を払うとともに、様々なサイトやアプリで既定の支払い方法としてクレジットカード情報を登録しないようにするなどの工夫が必要です。
その他、こどもによってはお金を使っている実感がなく、際限なくアイテムを購入してしまっていたという場合もあります。ゲームで遊ぶためにお金が必要となる場合があることや、そのルールを一緒に考えたり、フィルタリングやペアレンタルコントロールの設定をすることも大切です。
【ゲーム課金についてのより詳細なページはこちら(内部リンク)】
【ルールを決めた日(YouTube)】
繰り返されるゲーム課金など【依存症】についてのページはこちら(健康局依存症ページへリンク)
実際に「ゲーム課金」トラブルにあった際の対処法はこちら
③脱毛の高額契約のケース
法定代理人の同意を得ていない場合、未成年者取消権により契約を取消すことが可能ですが、未成年者が「親の同意を得ている」などと虚偽の申告をし、事業者側がそれを信じて契約した場合には、「詐術」と判断される可能性があります。
支払いが長期にわたるような高額な契約については事前に親へ相談するよう、日頃からこどもへ話すことが大切です。また、美容医療や脱毛などの継続的な契約は、解約条件や返金の可否などが複雑な場合も多いため、日頃からそういったサービスを利用したい場合に相談しやすい関係性を作っておくことも大切です。
実際に「脱毛エステ」のトラブルにあった際の対処法はこちら
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