退去時に思わぬ高額な原状回復費用の請求でトラブルに(事例)
事例①経年劣化と思っていたが不注意による損耗と判断…
排水口のゴムの蓋が破損した。経年劣化だと思っているのに大家からは何か流してはいけないものを流したからだと言われた。また日当たりが悪く日中は暗い部屋だったため、カビが発生。原状回復費用として5万円を請求されているが高額すぎないか。(20歳代、男性)
事例②原状回復費用として20万円の請求…
一人暮らしをしていたワンルームマンションを退去することになった。たばこを吸っていたので原状回復費用として、クロスの全面張替を請求されている。20万円の請求があったが妥当な金額なのか。契約書にたばこの臭いやヤニ汚れは借主負担と記載していると言われたが紛失してしまった。(20歳代、女性)
原状回復義務とは
賃貸借契約が終了した時、入居者は、賃貸住宅の原状回復を行う義務を負います。しかし、入居者の責任によるものではない損傷等や、普通に使っていて生じた損耗、経年劣化による損耗等については原状回復を行う義務はありません。
トラブルにあわないためのアドバイス
入居時に気をつけること
- キズや汚れがないかチェックし、気になる場所があれば、日付の入った写真を撮る。(間取り図などに、場所を記録しておく)
- 「ハウスクリーニング代は入居者負担」など特約が付いている場合もあるため、契約をする前に契約書や重要事項説明書を必ず読んでおきましょう。
入居中に気をつけること
- こまめに掃除をし、カビや油汚れに気をつける。
- 「ペット不可」の部屋でペットを飼うなど、契約違反はしない。
※ペット可能物件であったとしても損耗の程度によっては入居者負担が生じる場合があるため、入居時に契約書などでよく確認が必要です。 - エアコンなど付帯設備の故障、水まわりのトラブルなどが発生した場合、修理業者へ連絡する前に管理会社・家主へ連絡をしてください。修理業者への依頼や修理費用の負担についても確認しておきましょう。
- 入居中に借主の不注意により損傷した箇所があればその程度や範囲を貸主とともに確認しておきましょう。
退去時に気をつけること
- 荷物をすべて出し、部屋をきれいに掃除しておく。
- 家主や管理会社(不動産業者)と一緒に部屋の状況を確認する。
- 修繕費用を請求された場合は、請求内容を確認し、納得できない点は、家主や不動産業者に説明を求める。
- 入居時に受け取った賃貸借契約書や退去時点検リストは、念のためコピーを退去後もしばらくの間は残しておきましょう。
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
退去時の原状回復トラブル防止のため、国土交通省が示したガイドライン(「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(平成10年3月公表、平成23年8月再改訂))も参考にしましょう。
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省・外部リンク)