
「定期購入を解約したいのに解約ボタンが全然見つからない!」
「買い物かごに入れた覚えのないものが入っていた!」
ネット通販サイトを利用していて、こんな疑問や不満を感じたことはありませんか?
実は、インターネット上で私たちを困らせる様々な“仕掛け”の一部が「ダークパターン」と呼ばれ、社会課題として指摘されています。
今日はこの「ダークパターン」によって消費者トラブルに巻き込まれないよう、その一部をご紹介していきます。
ダークパターンとは

こんな広告をよく見かけませんか?
この場合、元の値段の「通常税込価格11,000円」で本当に販売していたのか不明ですよね。
これは「不当参照価格」といって「嘘や誤解を招くような価格からの大幅な割引」に見せかけて購入へ誘導するもので、「ダークパターン」の1つと言われています。
このダークパターン、公的な機関の説明では、
「オンライン上のユーザーインターフェイスにおいて見られる選択に関する設計を使用する商慣行であり、消費者の自主性、意思決定や選択を覆したり損なうもの」(OECD(経済協力開発機構)
とされており、他にも検索すると様々な難しい説明が出てきます。
そこで、まず第一歩として今日は…
「(ネット上で)本当はしたいわけではない行動に気づかないうちに誘導されたり、逆に自分でしたいと思っていることを簡単にはさせない仕掛け」
と理解しておきましょう。
ダークパターンは「違法」ではないの?
「(ネット上で)自分でしたくないはずの行動をさせる」と聞くと、「そんなものは違法ではないのか!」や「厳しく取り締まるべきでは?」という考えも浮かんでくると思います。
ただ、ここが1つポイントになるのですが、実際のところ「ダークパターン=即座に「違法」と言えるものは少ない」という現状です。
それどころか、企業側が1つのマーケティング手法と認識して、むしろ積極的に悪意なく取り入れられていることも多いのです。
だからこそ、私たち消費者ひとりひとりがその仕組みをよく理解して、注意することがとても大切です。
ダークパターンにはどんな種類のものがあるのか?
さまざまな種類があるダークパターン。しかも、1つのサイトや画面で複数の種類が組み合わせられていることもよくあります。
ここでその全てをご紹介することができませんが、特にトラブルになることが多いと言われる5つのパターンをご紹介します。
ダークパターン①事前選択
商品やサービスを売る側に都合のよい選択肢が、最初から選択されている状態になっているパターンです。

(解説)上の画像では、価格が高い「お徳用サイズ」と「定期お届けコース」の選択肢が事前に選択されています。
これだと気づかないうちに「定期お届けコース」を申し込んでしまいそうですよね。
【要注意ポイント】
自分がボタンやチェックを押していなくても、
①「買い物かご」に入れる前に、どこにボタンやチェックが入っているかを確認し、不要な選択は変更したり外す。
②「買い物かご」に入れた後も、いらないものが勝手に追加されていないか確認し、不要な選択は変更したり外す。
③不要な選択を変更したり外した場合は、料金や条件に変更がないか再度確認する。
ダークパターン②隠された情報
次に、申込みや契約に重要な情報が隠されているパターンです。

(解説)上の画像では、次のような画面になっています。
Ⓐ 「全額保証」と強調表示がある一方で、「詳細」ボタン(アコーディオンパネル)の中に返金条件が隠されている。
Ⓑ 返金条件等の重要な情報の文字が小さく、不明瞭である 。
この例だど、全額返金保証には様々な条件があるにも関わらず、「どんな場合でも返金してもらえる」と誤認して申し込んでしまう可能性があります。
【要注意ポイント】
①画面上の「薄い」「小さい」「端っこにある」文字まで確認する。
②「▽」などの小さなボタンで隠されている情報がないか気をつける。
③申込みをする際に最終確認画面で契約条件等をよく読み、スクリーンショットで保存する。
ダークパターン③キャンセル困難
商品の購入やサービスの申込みは簡単(1クリック等)なのに対して、解約・退会が難しいパターンです。

これだど、解約を完了するボタン(C)にたどりつくまで何度も画面遷移やスクロールをしないと解約を完了させるボタンまでたどり着かず、解約できる気がしないですよね。

しかも、たどり着くまでに、(A)解約した場合のデメリットを表示して引き留めてきたり、

(B)他のプラン等の選択肢を表示して引き留めてきたり、
これだとますます解約できる気がしないですよね。
この例のほかに、「解約は電話でしか受け付けない」とされている場合もあり、実際は「電話がつながらない」「(仕事等で)電話が可能な時間帯がない」といった理由で解約が困難となる場合もあります。
【要注意ポイント】
①定期購入やサブスクに申込む前に、「解約」や「退会」の方法や条件を調べてメモしておく。
②「解約」「退会」方法が複雑だと感じる場合は、申込みは慎重に。
ダークパターン④お客様の声
商品等を購入した評価や口コミが誤解を招いたり、虚偽の可能性があるパターンです。

(解説)上の画像では、それぞれ別の人物の口コミのように見えますが、同じ文面が使われており虚偽の可能性があります。

(解説)上の画像では、写真の人物による感想であるかのように強調した表示をしていますが、小さく「イメージです」とただし書があり、写真の人物は実際の評価者ではありません。
よくみるパターンですが、口コミは気になるし影響を受けやすいものですよね。
【要注意ポイント】
①口コミや評価をもとに購入する際は、信ぴょう性があるかをよく考える。
②大きな文字や目立つ表現に気を取られ過ぎず、小さな文字や注釈まで確認する。
ダークパターン⑤カウントダウンタイマー/期間限定
割引が適用される期限をカウントダウン方式で表示したり、間もなく終了することを告げて急かすパターンです。
実際は時間経過後も割引が適用されるなどカウントダウンタイマーが虚偽の場合もあります。

(解説)上の画像では、次のような表示をしています。
Ⓐ 受付終了までの残り時間や商品の在庫、セール価格を確保しておく残り時間をカウントダウン方式で表示。
Ⓑ 期間を具体的に示さず、期間限定である旨を表示。
これもよく見る手法ですが、このような表示があると焦って申込みボタンを押してしまいがちですよね。
【要注意ポイント】
①タイムカウントや期間限定を見ても焦らず、契約条件などをしっかり確認する。
②特に旅行予約サイトの場合、キャンセル条件等が複雑な場合も多いため、最終確認画面をよく確認のうえスクリーンショットを必ず撮る。
一人ひとりの「選択」でネットの取引をよりよいものに
インターネットの技術進歩により私たちの生活は便利になる反面、新たな仕組みを悪用したり、都合よくそれを使う事業者が現れることは避けられない部分もあります。
結果、私たちが思いもよらないトラブルに巻き込まれたり、「どうにも腑に落ちない、納得のいかない」結果になることもあります。
この社会課題を一足飛びに解決することは難しですが、少しでも減らしていくために大切なことは、私たち一人一人の消費者が日々ネットで行う買い物や契約の相手、場所をしっかり選び、判断することです。
(参考)【生徒・児童向け】ダークパターンを学べる動画
次の動画は、消費者庁および文部科学省のレビューを経て、(一社)ダークパターン対策協会により制作されたものです。
小学生向け動画
ダークパターンオンパレード篇_ (3:07)小学生向け①
ゲームは楽しいけど注意して!篇_ (3:28)小学生向け②
定期購入には要注意!篇_ (4:08)小学生向け③
中学生向け動画
個人情報は大事!篇_ (3:08)中学生向け①
定期購入は危険!篇(3:58)中学生向け②
高校生向け動画
定期購入の罠!篇_ (4:03)高校生向け①
推し活に気を付けて!篇_ (4:14)高校生向け②
存在しないグッズ篇 (3:35)高校生向け③
ダークパターンによって被害を受けている層の一つに、アルバイトなどでお金を持ち始めたが社会経験の浅い子どもたちがあげられます。
情報リテラシーとダークパターン被害には相関があると考えられ、まずは小中高生に向けて啓発動画を制作しました。
今回の動画教材は、気をつけるポイントや立ち止まるタイミングを自然に学べる構成で制作しております。【(一社)ダークパターン対策協会HPより引用】