「KOBEくらしのレポート」は、市内の各地域にいる「くらしのパートナー※」から寄せられた悪質商法や消費者トラブルについての情報を、読んでいただきたやすいようレポートにまとめたものです。(※くらしのパートナー)
家族や友人の方への注意の呼びかけなどに、ぜひ活用してください。
2024年1月号 目次
印刷用PDFデータ
KOBEくらしのレポート2024年1月号(カラー版)(PDF:1,095KB)
KOBEくらしのレポート2024年1月号(モノクロ版)(PDF:1,069KB)
一人で対応しない!不用品買い取り
「 電話勧誘」→「訪問買い取り」でのトラブルが増えています
事例 ~不要なお皿の買い取りのはずが、大切な貴金属も強引に買い取られた~
突然自宅に電話があり、「皿1枚だけでもいいので」と食い下がられしかたなく訪問を承諾した。訪問を受けた際「鑑定してあげるから」などと言われ、結局売るつもりのない貴金属まで強引に買い取られてしまった。( 70歳代 女性)
ここが問題!訪問買い取りのトラブル!
「なんでもいいから不用品はないか。」 「被災地支援に協力してほしい。」など、 あの手この手で心理的ハードルを下げて来訪の承諾を得ようとする手口が見られます。
売るつもりがなかった物品も強引に買い取られる事例が目立ちます。
トラブルに遭わないためのポイント!
- 「使い古した靴でも買い取る」のような甘い誘いに乗らない。(うまい話には裏がある)
- 「事業者からの突然の電話勧誘」に乗るのではなく、親族等に相談して「落ち着いて決められる方法」を取る。( 家族と同席のうえ店舗型事業者を選ぶ等)
- 絶対に一人で対応しない。
- 高齢者の方や女性1人で対応するのはそもそも心細く、買取業者側が男性複数人だと、立場的に断りづらい環境になってしまいます。親族や友人に依頼して、できるだけ同席してもらうようにしましょう。
- 望んでいない貴金属の売却を迫られたら、きっぱり断りましょう。 クーリング・オフ期間内は、購入業者に物品の引き渡しを拒むことができます。
- 一呼吸おいて落ち着いて判断するためにも、期間内は物品を渡さないことも一つの手です。
- 売却する場合は、必ず契約書を受け取り、すぐに物品の種類や買取価格、事業者の連絡先などを確認することが大切です。
屋根工事の点検商法のトラブルが増えています
事例 ~「近所での工事の挨拶です」などと言って突然訪問~
「瓦がずれているから無料で点検しますよ」と点検後、「このままだと瓦が飛んでご近所に迷惑がかかる」などと不安をあおって工事の契約を打診され、不安になったことからよく考えないまま高額な契約をしてしまった。
後から調べると相場よりかなり高額で、本当に瓦が危険な状態だったのかも確認していなかったことに気が付いた。
点検商法のトラブル急増
近年増加する豪雨や突風の影響もあり、2022年度の屋根の点検商法に関する相談は、2018年度の約3倍に急増しています。(国民生活センター発表より)
ターゲットは60歳以上
契約当事者の8割超が60歳以上です。「この場で契約するなら特別に安くしますよ」「保険金を使って修理すればいいじゃないですか」などの勧誘トークに乗せられて、高額になりがちな工事を安易に契約しないようにしましょう。
トラブルに遭わないためのポイント!
トラブルの回避には、
①突然訪問する業者に安易に点検させない
②すぐに契約せずに複数の見積もりをとる
③保険金を利用できるという誘い文句は即座に拒絶する
そもそも、保険金を請求できるのは契約者本人だけです。業者が契約者に代わって、保険の申請を行うことはできませんし、ウソの理由による保険金請求は、保険会社から解約・返金を求められる可能性があるだけでなく、詐欺に加担したことにもなりえます。
クーリング・オフができる場合もありますので、「おかしいなぁ」と感じた時は、消費生活センターに相談しましょう。
不正転売チケット自分のためにも絶対買わない!
不正転売チケットは「購入」も法律で禁止されています
人気のコンサートや舞台、スポーツイベントなどのチケットを、業者や個人が買い占め、高額な値段で転売していたため、本当に行きたい人が入手しづらい状態が社会問題となり、「チケット不正転売禁止法」が、平成30年に公布され、令和元年6月14日から施行されました。
これにより、不正転売を目的としたチケットの転売、譲り受け(=購入)が禁止となりました。
高額転売チケットに手を出さない
次のようなリスクがあります。自分がトラブルに巻き込まれないためにも、高額転売チケットには絶対に手を出さないようにしましょう。
・入場できない
興行主がチケットの転売を禁止している場合、転売されたチケットは無効とされ、入場できない恐れがあります。
・高額のお金を振り込んだのにチケットが届かない
SNSで知り合った人からチケットを譲ってもらうことになり、代金を振り込んだ。しかし、その後チケットは届かず、相手と連絡がつかないといったトラブルも多くあります。
・公演中止・延期の補償が不十分
興行主がそもそもチケットの転売を禁止していた場合は、チケット代の返金を求めることも難しい場合があります。
急に都合が悪くなってチケットを売りたい場合
チケット不正販売禁止法は、定額以上での転売を禁止しているため、チケットを定価で譲ることは罰則の対象ではありませんが、「チケット購入者のみが入場できます」等と記載されている場合には、譲った相手が入場できないこともあります。
トラブルを避けるために、興行主や興行主から許可を得た正規(公式)のリセールサイトを利用しましょう。チケットが定価で売り買いできるだけでなく、公演が延期や中止になったときには払い戻しなどの補償もきちんと受けられます。
キャッシュカードのすり替え詐欺に注意!
事例 ~全国銀行協会からの電話で始まった~
被害に遭う前に全国銀行協会のAと名乗る男性から電話があった。自身のキャッシュカードに不正利用の危険があるかのような説明があり、その後訪問した男性は、電話でAと連絡を取っていた。
男性から袋を渡され、銀行のカードを入れて持っておくように言われ、自身でカードを袋に入れ、糊付した。…警察官が本人の自宅へ向かい、一緒に袋の中を確認すると別のカードが入っていた。口座を確認するも、既に残高はすべて引き出されていた。
自宅に来訪するなりすましに注意!
警察官や金融機関職員になりすまして、キャッシュカードをだまし取ったり、キャッシュカードを封筒に入れさせ、すり替える詐欺が増えています。警察官や金融機関職員が暗証番号を聞いたり、キャッシュカードを封筒に入れさせることはありません。
こんな電話がかかってきた、または訪問してきた人から言われたら、それは詐欺です。
- キャッシュカードが不正に利用されているので、預かります。
- キャッシュカードが古くなっているので交換します。
- キャッシュカードと暗証番号を書いた紙を封筒に入れてください。
- 〇日まで、絶対に封筒は開けないでください。
アドバイス
常に留守番電話機能を設定しておき、知らない番号からの電話には出ない。
・電話に迷惑電話防止機器を取り付ける。
・万が一に備え、ATM 引き出し限度額を引き下げておく。
おかしいなと感じたり、不審に思った時は警察に相談しましょう
相談窓口のご案内
上記をご覧いただいても解決しない場合は消費生活センターにご相談ください。
原稿作成:消費生活マスター
情報提供:くらしのパートナー、あんしんすこやかセンター